林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.113

谷間です。

このコラムは、私が日々行なっている開発業務を主な話題としてお届けしています。
それは、何だかんだ言って、皆さんそういった話題をいちばん知りたいだろうし、楽しんでご覧いただける、と思うからです。現に、こうした話題をメインに100回余り続けているわけですが、最近になって内容を褒めていただけることが多くなっています。また、多少なりともケイテックの認知度、売上にも貢献しているようで、書く側としては、さらに良い物にしなければ、と力が入ってしまいます。

と、いうわけで、今回も華やかな開発話ができると良いのですが、どうも今週は進行上谷間に入ってしまったようです。谷間とは、試作品のための部材待ちとか、これまで試してきた試作品がイマイチで、新たなデザインを構築中といったタイミングのことで、皆さんに対し良いも悪いも言えない、こういった状況を意味しています。決して業務が頓挫したり、中断したりといったことではないのですが…。

現在私は、3つの開発物件を同時進行させています。その中には、これまで一度もこのコラムで取り扱ったことのない物も含まれています。今回はこれらの各物件をさらっとご紹介しておくことといたします。

開発物件1;セクシーインパクト・フィネス5.5"(5.5XF)
これまでも再三ご紹介してきたアイテム。ネコリグを主たる目的として取り組んでいます。
ここまで微妙にデザインを変えつつ4タイプを試すも、最終的にはすべてペケ。まあ、それなりの品物にはなっていて、そこそこ魚も釣れるのですが、これを製品化する気にはなれないんです、どうしても。ひとことで言って「君、まだ一軍入りは無理ですな。二軍でしっかり鍛えてからおいで。」という感じ。で、先週の当コラム冒頭でも申し上げた通り、まったく規格の違う試作品作っての出直しとなります。と、言っていたら新たな試作型が完成。さっそく今夜にも試作品作って、今週末試してこようかしら。続報を待て。
     ↑ダメ出しされた方々。その美しいフォルムがことさらに泣を誘う・・・。


開発物件2;セクシーインパクト2.8"(2.8SX)
「出た出たっ。3.8"、4.8"、5.8"と出して、その後とどめの2.8"!いつものパターンじゃん。」と言っている皆さん、その通りです。私の場合、新たなワームを開発する時は、比較的大きなサイズから着手し、その動く仕組みや釣れる理由を可能な限り克明に把握することに努めています。この段階で一定の結果を得た場合、その感覚を利してダウンサイジングしていくのが私の流儀。実はワームというやつ、小さくて特徴のあるものを作り出すのが案外難しいものなのです。
で、2.8SXの場合どうしたかというと、とりあえず3.8"の相似形にてダウンサイジングしてみました。結果は、「ルックス良し!アクション悪し!」で、あえなく沈没。全長が短くなった分、動きが硬く、何か“バィーン”としててダメです。安易でしたが、あくまで最初の“探り”ということで。ならば、と2.8SXリメイクモデルをすでに再設計。これから試作型の製作に入ります。この件も続報を待て。
     ↑ ルックス良し!! しかしバィーンな初代2.8SX。


開発物件3;新しく、画期的なラバージグ(名称未定)
ラバージグを組み上げ、開発するためには、いくつかのパーツを用立てる必要があります。
現状は、そのパーツをひとつひとつ試作、吟味している段階。よって、まだジグの試作品として完成しておりません。私は、試作品を隠しながら、「プロジェクト刻々と進行中」のようなもったいぶった言い方はあまり好きではありませんが、無いものはお見せできません。もうひと月もすれば、このジグの話題もご披露できるのでは、と考えております。うまくいけば、まったく新しいものになること必至、ともったいぶりつつ、楽しみに続報を待て。


お知らせ
今月末発売のルアーマガジン8月号より、私はコラムを連載することとなりました。
タイトルは「温故知新」、古きを訪ね、新しきを知る、という意味です。私がオヤジで古いことを良く知ってるからと担当編集者H氏がつけてくれました。良い名前です。
H氏によれば、「なるべく“フリップ・マイ・メッセージ”と同じ調子でやってくださいね。」だそうです。「ふっ、オレのコラム、最近評判イイんだよな」、と悦にいるのもそこそこにしっかり、丁寧に書き綴っていこうと思います。みんな読んでね。

   次回は6月25日アップします。