林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.137

ワーム製品への「環境協力シール」貼付のお知らせ。

今回は、あまり楽しくない話かもしれません(じゃあ、いつもは楽しいのかよ、なんて言わないように)

 

これは今に始まった事ではないのですが、「根がかり等で湖底に残ったワームは問題だという話があります。確かにこれは問題です。この件に関しては、多くの読者の方々も感じていらっしゃることでしょう。ましてや私を含め、この業界でメシを食うメーカー各位の人々にとって、この話題はずっと心の片隅にある問題であり、避けては通れない、しかしなかなか解決もできない懸案事項でありました。

 

こうした問題を何とか、少しでも解決できないものか…。こうした思いからメーカーが集う業界団体「日本釣用品工業会(日釣工)」では、数カ月前より主要ワームメーカーを招き議論を重ねてきました。そして最近、この件に関する具体案が決定され、来年11日以降実施される運びとなりました。とは言っても、この件に関して一切ご存じない方がほとんどでしょうから、ご案内しましょう、というのが今回の話です。

 

【目的及び手段】;一部日釣工から出された文章を引用します。

 

 ・釣り人が湖底・海底に残したワームは、環境に負荷をかけています。このような状況を

    少しでも改善し、釣り場を維持するには、残されたワームを除去する「湖底・海底清掃

    が必要です。

・この清掃費用を捻出するため、日釣工では「環境協力シール」を発行、メーカーに販売します。メーカーはこのシールを購入し、製品に貼付します。

                  日釣工発行の環境協力シール→

・このようにして、メーカー各社より日釣工に集められた資金は、湖底・海底清掃事業に運用されます。実際の事業運営は、日釣工より業務委託された日本釣振興会が行います。

・その業務内容等は、日本釣振興会より報告されます。

・シール代金は、まずはメーカー負担となりますが、これによる販売価格の変更等の要素は各メーカーの意向に一任されています。

   
というのが骨子であります。つまり、来年以降はこのシール、ないしマークの入っている
製品をお買い上げいただければ、その分清掃事業が進みますよ、というシステムなのです。

まあ、これによりどれだけの状況が改善されるか未知数ですが、まずはやってみよう、と。

私も日釣工の会議では、色々考えてみましたが、大筋では異論ありません。

 

さて、ここで私が考える“皆さんにとって気になる点”についてご説明しておきます。

 

【気になる点1;その資金は正しく透明性をもって運用されるのか?】 

集まった資金によって、どれだけ実効力のある事業が展開されるかは、未知数です。しかし、正式な業界団体がやることなので、透明性に関する懸念は無用かと考えます。まずはやってみて、その効果の程を評価し、改善すべき点は改善する、といったところが現状において妥当な言い方でしょう。

 

【気になる点2;シール代が発生することによって、値上げはあるのか?】

これは先程も申し上げた通り各メーカーの意向に一任されています。私が会議で感じた感触では、値上げに踏み切るメーカーもいれば、そうでないところもある、という感じ。「メーカーから言い出したことだし、まずはメーカーが負担すべき。」と考えれば、そうだとも思えるし、「消費者にも環境保全に協力していただくべき。」と言われれば、これもあながち間違っていない気がする。要はどっちが正しくて、どっちが間違っている、といった質の議論ではないのでしょう。

   
ちなみに私が営むケイテックでは、この決定を受けて幾つかの原価低減に取り組みました。
それは、このシール代を自分達の創意工夫で内部吸収できないか、と考えたからです。丸ごと負担するのも結構ヘビーな気がするし、だからと言って値上げにも抵抗がある。じゃあ、ものづくりの現場として何かできないか、と思いながら手を尽くすと、多少なりとも成果が上がったのです。あいにく、シール代すべてを吸収してしまうほどパワフルな

ものではありませんが、「ここまでできれば、後はオレが見るわ。」と言えるところまではたどり着きました。よって、ケイテックではこのシールに伴う値上げはいたしません。

 

今回感じたことは、「人間、困らないとなかなか動かないものなのね。」ということです。

現に困ったからこそ、私も本気で原価を見直したわけですし、業界も苦慮するからこそ

「環境協力シール」事業に踏み切るのだと思います。
 

どうか皆さんもご理解の上、魚、釣り場、そして私共釣具業界を末長く可愛がっていただきますよう、お願い申し上げます。

 


   次回は12月24日アップします。