林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.248

ワーム君1号のひみつ その1

新たに開発中のスティック系ワーム、「ワーム君号」。
先週はその開発コンセプトとも言える"自発的ピコピコアクション"についてご紹介しました。
みなさんしっかりイメージできたことと思います。老婆心ながら、シャウエッセンイメージスライドをもう一度貼っておきますのでご覧ください。

1

2

3

4

5

6

7

8


ワーム君号のようなワームでは、ノーシンカーでの水平フォール時に、こうしたピコピコアクションを自発的に起こすかどうかが釣果に大きな影響を及ぼすと私達は考えています。

 

さて今週は、ワーム君1号が自発的ピコピコアクショシを起こすメカニズムを私なりに解き明かしてみようと思います。

①着水後、素早く水平姿勢になり、フォールすること。
着水時にどんな姿勢であっても、水中で瞬時に正確な水平姿勢になりフォールすること。これをうまくやるためには、ラインの抵抗やオフセットフックの重量なども勘案したワーム全体の重量バランスが重要です。こうした物理的条件からおのずと導き出されたのがご覧のようなややテール寄りに重心のある"下ぶくれ"シェイプ。着水後、一瞬で水平姿勢になり、ピコる(自発的ピコピコアクションを起こすの意)態勢に入ります。
 
②フォール中、水平姿勢を堅持すること。
ピコる態勢であるところの水平姿勢を堅持すること。つまり多少のこと(例えば風などによるライン抵抗の変化等)ではバランスを崩さない安定感が必要です。この点においてもワーム君1号のデザインは十分満足いくものとなっています。なぜこのように水平姿勢が大事かというと、ワームは水平姿勢を保ちながらフォールすることによって下からの水の抵抗を全身に均等に受けることができるからです。このことがピコる上では欠かせない要件であると言えるでしょう。
 
③程よいフォールスピードであること。
ワームは水平フォールすることによって下からの水の抵抗を全身に受けることができます。つまり、ワームのフォールスピードによって、受ける水の抵抗の強さは変わります。上手にピコって釣れるワームに仕上げるためには、程よく水の抵抗を受ける必要があります。もしフォールスピードが速過ぎ、水の抵抗を受け過ぎると、ワームは安定して水平フォールしにくく、ややメタルジグ的なランダムなスライドフォール動作を呈します。逆にフォールスピードが遅過ぎると、ピコるに十分な水の抵抗を受けることができず、仮に水平フォールしたとしてもピコらない、ただの水平フォールになってしまいます。このような程よいフォールスピードを得るためには、ワームの比重調整が不可欠です。つまり、ワームにどのくらいの密度で塩を入れていくか、ということです。程よいフォールスピードを得るためには、かなり高比重な(つまり塩を多く含む)材料配合が必要です。
 
④フォールスピードとワームのデザイン、軟らかさとのバランス
前項で"程よいフォールスピード"と書きましたが、これもワームのデザインや使われている材料の軟らかさとのバランスの問題、つまりスピード、デザイン、軟らかさの調和が大切であることは言うまでもありません。
このへんの話になりますと、1+1=2のような論理的な方法では語れない領域の話です。つまり理屈や理論であらかじめ各ファクターの調和を予知できるわけではなく、様々な試作品を試し、改良するといった、いわゆる試行錯誤のプロセスからそうした調和を根気良くあぶり出して行くしかないのです。
これまで申し述べたような自発的ピコピコアクションのメカニズムも、そうした試行錯誤のプロセスから知り得た事実であり、今回一定以上の水準で調和を見た「ワーム君1号」は私達にとってすでに掛け替えのない財産なのです。

 
「これだけワーム作りに精通した人達が、ここまで試行錯誤をするのですから、そりゃイイものができるはずですよ。」
開発責任者であるくせに、他人事のような言いっぷりの岩佐君。私はそんな岩佐君の言葉を嬉しく、そしてちょっと誇らしく聞いていたのでした。
 
 

 次回は4月12日アップいたします。