林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.269

スイングインパクトFAT 誕生秘話

 スイングインパクトFAT。最初のモデルである4.8"を発売して以来5年の歳月が経過しました。

 この間、飽きられることも淘汰されることもなく、製品として存続できておりますのは

 ひとえにその泳ぎのクオリティーの高さによるところだと林は考えています。


 自慢じゃありませんが、このような素晴らしい動き
(自画自賛ですみません)を実際のものに

 するためには、それなりの試行錯誤があったことも事実です。今週はどのようにしてこうした

 素晴らしい動き(自画自賛ですみません)を作りあげていったのかお話ししたいと思います。


 開発の第一段階として、どんなワームを作りたいのかを図面という方法で書き表します。

 そして次にその図面に基づき試作型を製作します。このへんの過程を細かく説明することが

 今回の目的ではないので、簡単に事の順序だけ申し上げておきます。


 さて、こうしてできあがった試作品がこれ。実際発売されている完成品とどこが違うかな

まずテールの大きさ。試作品と完成品ではこれだけの違いがあります。
続いて尾部の長さ。試作品と完成品ではこれだけの違いがあります。
 ここが私の賢いところなのですが(自画自賛ですみません)、泳ぎに強く影響を与えるであろう
 部分を大きく、あるいは長く作っておき、それを後から少しずつカットしつつ絶妙な頃合いを
 探っていく、そういった方法を取ったのです。つまりこの試作品そのものは、おそらく泳がない
 だろうし、そういった意味で期待もしていない、というわけです。まあ、よほどのマグレでも
 ない限り、そのままのデザインで泳ぐなんてあり得ない、そういった世界だと思えばよろしい。

 テールを小さくしたら多少は泳ぐ気配があるのかな?尾部の長さはどの位が適当なのだろう?
 といった具合に様々に切ったり貼ったりしながら都度スイムテストをし、様子を探っていきます。
 このような過程を踏んで、色々なスイムテストサンプルを作っているとどうすれば理想の動きに
 近づいていくかといういわゆる“傾向”というものが見えてくるものです。こうした“傾向”に
 基づき、今度は薄皮をはぐように“程度”を探っていきます。つまり一定の“傾向”をどこまで
 深く進めていっていいものなのか、どの“程度”がピークでどこからがやり過ぎなのかを追求して
 いくのです。次第にスイムテストの結果が好転し、徐々に目標であるピークに近づいていく。
 そうした長い、しかし着実な方法で作りあげました。

 こうして生まれたスイングインパクトFAT4.8"の素晴らしい動き(自画自賛ですみません)。
 それは言うまでもなく2.8"や3.8"といった他のサイズにも継承されています。
 5年たった今でもマイナーチェンジの余地すらない、そんな完成度はこのような地道なプロセス
 から生まれているのです。

 次回は9月27日アップいたします。