林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.282

この年末に思うこと。

ケイテックでは現在、新社屋を建設しています。とは言ってもすべてを新築し、全面的に

移転するといった大規模なものではなく、これまで使ってきた社屋の隣にいくらかのスペースを

増設しようといった程度のことであります。しかしこれとて弱小零細なケイテックにとっては

決して小さな事業ではなく、このようなことが計画、実施できるのも多くのユーザーの皆さんや

取引先各社の方々に良くしていただいたからにほかありません。ありがとうございます。

普段なかなかこういうことを申し上げる機会もありませんので、今回言わせていただきました。

このように工場及び倉庫の増床をはかるからには、その中に入れる関連設備に関しましても
しっかりとした計画を立てなければなりません。器だけ立派にしても、中に盛り付ける料理の
量がそのままだったり、その料理の味が良くならないようでは何の意味もないからです。
特にワームを生産するために欠かせない成型機という機械をどの程度増やすか、そして増やすと
すればどのようなモデルを入れるか、という件に関しては、よくよく考えた上での計画が必要です。
当面の増産を視野に入れた設備投資以外に、会社の将来を作る新技術をも視野に入れての検討が
欠かせません。まあ、言うなれば来期の戦力補強を検討するプロ野球球団のGMみたいな感覚かな。

このような中、先週末、マジ君を団長とする現地調査団(他に岩佐、田上を団員とする)は新たに
設備する機械の候補として、とある中古機を見聞するために、これまたとある工場を訪問して
いました。ケイテックでは、自分達の流儀に合わせて作られた専用機を主に使い生産をして
いますが、時としてレトロな古い機械が良い働きをする場合もあるのです。このような機械は
むろん新品の機械より格段に安く、財布に優しいのが魅力でありますが、だからといって
どれだけポンコツでもよろしいというわけではありません。
というわけで、現地調査団はその"ポンコツ度合い"を確認しに行ったわけであります。

さて、私が今回この原稿で申し上げたいのは、「ウチはポンコツ機使ってます。」というような
ことではありません。ここからが本題だと思って読み進んでください。

調査団が訪れた中古機が置いてある工場は、ワームの工場ではありません。世間によくある
町工場で、主にフタとかキャップの類いを作られているようです。マジ君達調査団員にしてみれば
このようなところに立ち入ってその様子をつぶさに見れるというのは貴重な経験で、よほど新鮮
だったのか私に色々話してくれました。
 
 マジ ;「僕が思うにその工場はガガーピーガガーなので、ピピーガガピーなんじゃないですか。」
 岩佐 ;「やはりバキューンバキューンじゃなくて、ズゴゴーンでありたいものだと思いますね。」
 田上 ;「これまでメカニックとして様々な工場を見てきましたが、人生色々、会社も色々です。」
 
筆者注;ご訪問させていただいた工場に対する配慮から具体的な表現は控えさせていただきます。
 
 林 ;「つまり君達は、"挨拶や掃除は、業績とは一見関係がないように思えるけれども、
     人間としての基本的なところであり、結局において成功するのは、そういうことを
     まじめにやっているところやな。(松下幸之助氏述)"ということが言いたいわけね?」
 マジ ;「いえっさ一。」
 岩佐 ;「ざっつらい。」
 田上 ;「ですかね一。」
 
これは本心から申し上げることですが、私の中でもこうした基本的なことがやればやるほど
年々重みを増しているように思います。こういったなかば当たり前のことをきちんとやろう、 
そうした気持ちがあるからこそ技術にも磨きがかかり、"手の切れるような"製品が作れるように
なるのでしょう。この先私達の工場やその技術が伸びていくために大切なのは、こういうこと
なのだろうと思います。
 
今回調査団員諸君の心にもそうした気持ちが顕在化したことは、私にとって嬉しい収穫でした。
現在建築中の新社屋。それは決して豪華できらびやかなものではありません。
しかし皆が基本に対し忠実に、そして誠実に働いている、そんなことが伺い知れる現場にしたい、
工事の進行をみながら、そんなことを考えています。次回のアップは1月10日となります。今年も当コラムをご愛読いただきありがとうございました。
また来年もよろしくお願い致します。