林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.301

内職募集の看板をつけた。

このほど社屋の壁面に内職募集の看板をつけてみました。言うまでもなく、内職を

してくださる人達を募るためです。お蔭様でここのところ工場の生産能力はかなり

増強されています。それにともない、内職の方々の処理能力も併せて底上げしなければ

ならないという事情が生じたためです。
内職とは自宅でできる軽作業のことで、主に主婦の方々が家事の合間などにする賃仕事を指します。
ケイテックでの内職仕事といいますと、ワーム等を袋詰めする、つまりパッケージングの仕事が
大半であります。工場で製造された製品の多くは、こうした内職に手渡され、はじめて完成された
製品となるのです。
製品の設計や開発、あるいはそれを具現化する製造技術…。これらが社内では"花形分野"として
もてはやされる傾向があります。一方で内職及びその管理は地味でそのありがたみを感じにくい
領域なのかもしれません。しかし、賢明な読者ならもうお察しの通り、これ無くしてワーム
ビジネスは成立し得ないのです。今週はこうした大切で独特な内職の世界をご紹介します。
 

さて、話は変わりますが、現在ケイテックで行われている仕事の流れは、おおむね私が様々な
経験の中から生み出し、改善してきたと言えるでしょう。つまり、内職の方々に仕事をお願い
することも、あるいはどんな様式や方法でその仕事をしていただくかも、ほとんどすべて独自に
決めてきたということです。
にもかかわらず、私はこうした内職にかかわる業務をあまり得意としておりません。
工場を設営し、製品を作ることを主たる業務として選んだ私でもこればかりはどうにもなりません。
 

だらしのないことに、私が内職関連業務をあまり得意としないのには理由があります。
 

理由①;手先があまり器用ではなく、内職作業に必要な根気もない。
ワームの袋詰めは手先の仕事です。特にユーザーの方々から「きちんとやってますね。」との評価を
いただくためには、手先の器用さのみならず、単調な反復に耐える根気も必要です。
はっきり申し上げて、私は生まれながらにこの手の仕事に関し素養に恵まれていないようです。
こうした感覚は、私が内職業務にかかわる際、根本的なコンプレックスになっています。
ケイテックの内職仕事は、ほぼ100%女性の手により行われていますが、こと手先と根気が
求められる分野に関しては、女性の独壇場といっても過言ではないでしょう。
内職をしてくださる女性の皆さん、平素はその器用さ、強靭な根気をいかんなく発揮して
くださって、ありがとうございます。私のような男子にはとても真似できませぬ。
 
 
理由②;根本的コンプレックスのせいか、内職の管理業務が苦手。
お蔭様で忙しくさせていただいているだけに、内職の方々もそれなりの人数ではあります。
これは毎日20人からの人達が納品や次の仕事の引き取りに来社される程度の規模です。
日々の製造品目が変化する工場の動向に合わせ、また納期も睨みながら色々な種類の仕事を
様々な人達に振り分け、手渡す。袋へのワームの入れ方、シールを貼る位置等、いくつもの
作業条件がせめぎ合う中、ひとりひとりに適切な指導と申し送りをし、大過のない日々を
送っていくことは決して容易なことではありません。
私は、前述した根本的なコンプレックスからでしょうか、こうした内職の方々に上手に作業の
内容を指導することが得意ではありません。まあ、心底では「自分が器用にできない仕事を
他人にはうまくやれ、とは言えないのかな?」といった気後れした部分があるのだと思います。
 

こうした管理業務は、K子さんを中心とした3人の女性によりマネージされています。彼女達は
私が目を見張るほど上手にこの手の業務をこなしています。やはり、そこには女性ならではの
節度と繊細さが不可欠なのでしょう。
 
内職管理業務成功のための4力条
①内職の方々に対し、無理な納期や過剰な量の仕事をお願いしない。
②仕事を引き渡す際、しつこいくらいの申し送りをし、内職の方々に失敗をさせない。
③対応は節度のある中にも、明るい笑顔をもって臨む。
④きちんとした仕事に対しては、感謝の意をはっきり伝える。
 
 
 
 
上記は特にK子さんの流儀から私が学んだ4力条です。これとて私から見れば毎日飽くことなく
続けていくことは、かなり困難なことと思われ、感謝の念に耐えません。
 
 
きちんとしたワームメーカーを営むためには、釣り人としての十分な感性が必要でしょう。
また、男性が得意とする理数系論理的技術論も欠かせません。そしてそれだけではなく
女性らしい繊細で柔らかな感覚も持ち合わせていなければなりません。
こうして会社を経営してみると、人間ひとりで出来ることなんて知れている、と痛切に感じます。
これからも様々な力を適切に組み合わせて、より良いものづくりを進めて行こう、看板を
眺めながら改めてそう感じています。

次回は6月20日アップいたします。