林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.328

マジガエルの七変化。その5

前回のコラムにて、マジガエル3次試作品には十分に価値のある基本性能が秘められており

後はいくつか散見される細かな不具合を修正すれば、唯一無二のバズフロッグに仕上がる

可能性がある、とご報告いたしました。こうした感覚は、むろん琵琶湖での実釣から導き出されて

いるのですが、今週はこの実釣の際使用したタックルについて申し述べてみたいと思います。


皆さんもご存じの通り、私共が営むケイテックは、ほぼワーム専業メーカーであり、よって

新規開発するアイテムも、そのほとんどがおのずとワームになっています。つまり、これまでの

いかなる試作品のテストにおいてもトップウォーターゲームが主たるテーマになることは

なかったわけで、そういった意味からもマジガエルは、私達にとって非常に珍しいタイプの

開発案件であると言えるでしょう。

このようなことから、平素の試作品テストでは感度やシャープなフッキングを優先し高弾性な

ロッドを多用しますが、トップウォーターゲームを中心に考えると、ロッドに求める優先的な

条件はキャストのしやすさ、ということになります。ここで言うキャストのしやすさとは

ロングキャストしやすいということではなく、むしろ近〜中距離を少ない力で正確に射貫く

といった意味でのキャストのしやすさであります。


目に見えるあらゆる変化を、アンダーハンドキャストから繰り出される低く伸びのある弾道で

正確に狙っていく。もちろんルアー着水時には微妙なサミングワークを駆使し、着水音を

極力抑えこんでいく。このようなよく制御されたキャストを納得つくで繰り返していると

それだけでバス釣りは楽しいものだと素直に感じてしまうものです。


こうした美しく、完成度の高いキャストを生み出すためには、リールや特にロッドの正しい

吟味が不可欠です。以下に私の思うところを書き記しておきますので参考にしてください。


リール; オーバーヘッドの両手投げでビューンとロングキャストするならいざ知らず、

     近〜中距離を低く伸びのある弾道で正確に撃ち抜くなら、圧倒的に小型軽量で

     遠心力ブレーキを搭載したベイトリールが使いやすい。このようなシャープかつ繊細な

     キャストフィールの原点は、古くはアンバサダー1500C/2500Cの世界に由来するが、

     現在市販されているモデルで抜けているのはアルデバラン(シマノ)であると思います。

ロッド; 今話題にしているようなキャストを美しく行うためには、リールもさることながら
     ロッドの選択が重要です。では、どのようなロッドがこの手のキャストに向いているか
    というと、コンパクトなスイングでもバット近くまで滑らかにたわむロッドという
    ことになろうかと思います。このようなキャストは、ロッドを派手に振り抜くことで
    行おうとしてもうまくいかず、むしろコンパクトで淀みのないスイングからロッドの
    反りをうまく使い、ロッドにルアーを乗せるような感覚を大切にすることが肝要です。
    このことを"ロッドに仕事をさせる"といった言い方で表現したりしますが、要はロッドの
    後方への反りとだからこそ前方に反り返るその動きをスイングと同調させることにより
    ルアーを滑らかに目的地まで運ぶといった感覚が大切なのですが、伝わったでしょうか
    この表現で。
    賢明なる読者貴兄ならもうお察しのことかと存じますが、このようなキャストに
    今風のスティッフな軽量/高弾性ロッドはまったくの不向きであります。このような
    ロッドは水中でのルアー操作や感度、フッキングパワーには申し分ないわけで
    ありますが、如何せん反りにくい、または反ってもその後の返りが速すぎる等々で
    少なくとも私にとっては"ロッドに仕事をさせる"ようなキャストはしにくいものと
    なっています。
    それではどのようなロッドがよろしいかと申しますと、ズバリ、グラスロッド。
    それも片手でシュワーと気持ち良く振り切れる短めなやつ。というわけで、今回私が
    選んだバズフロッグスティックは、フェンウィックのFVR-CS60Mというロッド。
    このロッド、グラスとしては極めて軽量/高弾性。キャストの際しなやかかつ滑らかに
    たわみ、そのたわみが比較的ゆっくりと返る、早い話が投げやすいの一言であります。
    しかし一旦魚がストライクするとバットがタワタワタワと粘りながらこらえ、魚の
    暴走を食い止めるに十分なパワーは保持。またパフッ!!と魚がフロッグを吸い込む
    瞬間はティップがしなやかに引き込まれ、フッキング率も極めて良好であります。
    ただこのロッド、誠に残念ながら既に廃盤モデルにつき、新品を購入することは不可能。
 
    興味のある方はタックルベリーさん等の中古品リストをお確かめください。
 
 さて、今回はやや趣向を異にして、バズフロッグ用タックルについて語ってみました。
 ちなみにラインは東レスーパーハード14lbs.フックはデコイキロフック#5/0を使用。
 マジガエルの自重は約16gです。このような釣りを来年は皆さんにも楽しんでいただけるよう
 さらなる高みを目指し開発してまいります。
 早いもので今年もこのコラムが最後の回となりました。今年一年、当コラムをご愛読いただき
 ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。
 来年の1回目は1月9日アップいたします。それでは皆様よいお年を。