林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.368

ポークよもやま話 その3

 ここのところ私はポークラインドに関するあれこれをお話ししています。

 先週は、私が出会い愛用したポークブランド3社の中のひとつ、アンクルジョッシュについて

 私が知っていることをご紹介しました。

 これは前にも申し上げたことですが、最近ポークラインドがジグトレーラーとして用いられる

 ことは随分少なくなってしまったようです。今や皆さんの多くにとってポークラインドという

 ルアーは馴染みの薄い"過去のルアー"になってしまった感が強く、だからこそあえてこうした

 話題を取り上げてみるのも面白いのでは、と考えているのですがいかがでしょうか?

 さて、それでは残り2社に関する"よもやま話"を進めてまいることといたします。

 

 レーザーバックポークラインド

 これは私の淡い記憶なのですが、レーザーバックは1980年代にスミスが輸入販売していたように

 記憶しています。つまり私としては輸入され、どこかの釣具店で販売されていたものを購入し

 使っていただけなので、これを作っていた会社の正式名称はおろか、ウラ話的なネタは一切持ち
 合わせてはおりません。

 私が愛用したレーザーバック製品はフロッグ型。確か製品名はボウフロッグだったと思います。

 つまりアンクルジョッシュで言えばNo.11ポークフロッグに当たるモデルでアンクルジョッシュの
 それと比べソフトなテールの製品割合が高かったように記憶しています。これは、使用される

 素材感もさることながら、レーザーバック製品の染色が総じてアンクルジョッシュの染色より

 淡めであることに起因していると考えています。つまり、染色の影響で製品がガビる(硬化する)

 度合が比較的軽度で、それゆえ本来の柔らかさがキープされやすいということです。

 以上のようなことから私はボウフロッグのグリーンとパープルを多用。これら2色は染色による

 ガビり度合が比較的弱く、しなやかでとても重宝しました。

 このように、私がポークラインドに求めた大切なことはその柔らかさ。とは言ってもなにぶん
 原材料はブタという生き物であり、製品にバラツキが付いてまわること、また染色という製造
 工程の都合上どうしてもガビた製品が混入してしまうことは否めず、随分苦慮したものです。
 こうした様々な経験から芽ばえた柔らかさへのこだわりは、私の中で不動のものとなって
 いきます。そしてこのような感覚を大いに満足させてくれる製品に私は出会うこととなります。
 それが次にご紹介いたします"スーパーポーク"というブランドでした。
 
 スーパーポーク(前編)
 私は1987年にディー・トーマス氏と一緒に釣りをする機会を得ました。ディートーマスといえば
 フリッピングという釣法を開発し、普及させたことでも知られる偉大なアングラーです。彼は
 カリフォルニアに在住し、カリフォルニアデルタと呼ばれる水域を中心にトーナメント活動を
 していました。
 そんな彼と数日間行動を共にすることとなった私の最大の興味は、彼が自身のフリッピングに
 おいてどのようなルアーを重用するか、ということでした。
 実際の釣行に先立ち、様々なタックルやルアー、そしてバスボートがしまわれているガレージを
 見学。本人手作りのラバージグや愛用しているパドルテールグラブ等を見せてもらいながら
 本当に楽しい時を過ごしました。そのような中、私の目に飛び込んできたのがスーパーポーク社
 のタッドポールという製品でした。
 いわく、ジグ&ピッグは特に低水温期に重用するが、その際用いるポークトレーラーは唯一この
 タッドポールだけ、ということでした。そこまでこのタッドポールに肩入れする理由を問い
 ただしたところ、氏の口から出た答えは以下のようなものでした。
 「こいつは、どのポークよりも柔らかく、自然なアクションを醸し出すからさ。」
 やはりそうなのです。ポークはあくまでソフトでテロテロであるべきなのです。
 私はこのタッドポールを手に取り、注意深く観察しました。そして、そこから見て取れたのは、
 
 1、シェイプはアンクルジョッシュのスプリングリザードとポークフロッグを足して2で割った
    ようなもので、なかなかにそそるものがある。
 2、見たところ皮がなく、脂身だけで構成されている。
 3、新品を瓶から取り出した段階では、彼が言うほどの柔らかさを感じることはできない。
 
 といったところでした。
 
 翌日、私は彼とカリフォルニアデルタを釣りました。言うまでもなく、この釣行の最大の目的は
 ディートーマスのフリッピングをつぶさに勉強することなのですが、それ以外にタッドポールを
 試してみることも私にとって重要なテーマとなりました。
 さて果たしてその結果はというと、タッドポールは素晴らしいのひとこと。それはもう今までが
 何だったの?と言いたくなるくらい、私はタッドポールにぞっこん惚れ込んでしまったのです。
 「いい、タッドポール、いい。こりゃえれーもんみつけた。」
 トーマス氏は私のこうした反応を見てタッドポールを何瓶か分けてくれました。瓶に貼られた
 ラベルには、これを作っている人の名と住所が書かれていました。
 「サンフランシスコ近郊のロバートさんか・・・。よし一度訪ねてみよう。」
 目的その1: 自分用にスーパーオトナ買いをして日本に送る。
 目的その2: あわよくば日本での販売を前提に商談をする。
 といった思惑を胸に私は動き始めたのです。
 

次回は10月30日更新いたします。