林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.369

ポークよもやま話 その4

スーパーポーク (後編)

ブランド名: スーパーポーク、製品名: タッドポール。ディートーマス氏から教えてもらった

この製品は、私にとって特別な品質で、それまで抱いていたポークトレーラーの概念を一掃

しかねない程のインパクトを私に与えました。

「これはもう作っているところを訪ね、直接話をするしかないでしょ。」

今後自分が使う分をごってりしこたま買い込みたい。また事と次第によっては日本での販売を

視野に商談 にまで 漕ぎ着けたらそれはそれでよろしい。

このような思惑を胸に、私はスーパーポークのロバートさんを訪ねてみることにしました。

果たして製品ラベルに表記されていた住所を訪ねてみると、そこは工場でもなく、オフィスや
倉庫でもない、普通の住宅が建っているだけの場所でした。「はて?」怪訝に思いながらも

約束の時間なのでドアをノックしてみると、ロバートさんが出てきて私を家の中へと招き入れて

くれたのです。なんとスーパーポークは会社ではなく、まったくの一個人がやっているビジネス

でした。私はロバートさんにこれまでの経緯やタッドポールを自分用に買い求めたいこと、また

場合によっては日本とのビジネスを検討することは可能か、といった趣旨の話を説明しました。

自宅のダイニングで私にピザを振舞いながらロバートさんは切り出しました。

 

「私の製品を評価してくださったことに感謝します。ご入用の分はこの機会に購入なさって

 ください。ただ日本とのビジネスは今の私には考えられません。もともと私にはこのポーク

 ビジネスではない生業があり昼間はそちらを営んでいます。つまりポークの製造や販売は

 その生業以外の時間、夜中や週末に営んでいるのです。このような"二足のワラジ"状態の

 生活に私自身疲れ果ててしまいました。ですから現在、私はこのスーパーポークビジネスを

 買い取ってくださるところを探しているのです。ちなみに買収額は$$$$$$$程度を考えて

 います。あなた、いかがですか?あっ、それからポークビジネスをされるのであれば、最寄に

 屠殺場がなければなりません。良い製品を作るためには材料の新鮮さが重要なのです。」

 

ガーン‼ なんじゃそれ?と言うしかないぶっ飛んだ話。もちろん私は自分用のタッドポールを

買い込みつつ、すごすごと引き揚げてまいりました。

実はこの話、はったりでも何でもなく、スーパーポークビジネスはその後本当に他者により

買収されたようです。

 

裏話はこの辺にして、タッドポールの特徴をもう少し詳しく説明してみたいと思います。

タッドポールの特徴は、何と言っても皮を使わず脂身だけで作られている、という一点に

尽きるのではないでしょうか。この特徴により、タッドポールは通常の皮付きポークでは

あり得ないほど素早く柔らかになります。

瓶から新品を取り出した際には柔らかさはほとんど感じないものの、使用する前に揉みほぐし

たり、バスに噛んでもらったりすればすぐに柔らかくなります。特にバスにホグホグされると

素晴らしい柔らかさに変貌。それはそれはトロンとしたナチュラルなアクションで私のみならず

誰もがうっとりしてしまうこと請け合いです。
さて、ここまでポークラインドについて話を進めてまいりましたが、その流れは結局のところ
「柔らかくなければポークにあらず。」の一言に尽きるのだなと妙な感慨にふけっております。
ジグをボトムまでフリーフォールさせる。着底したジグはふわっとラバーをフレアーさせる。
同時にトレーラーたるポークもしなやかにアクション。こうした着底直後の"余韻アクション"が
バイトを誘発すると以前より信じて疑わない私。こうした柔らかさへのこだわりをテーマに
来週はもうひとくさり唸ってみようかと思います。

 
次回は11月6日更新いたします。