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林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.10

樹脂タングステン物語 その①



今回は、私達がジグヘッド用にここ数年使っている高比重材料
樹脂タングステン”について書いてみることにします。
今から10年近く前、私は「日本工業新聞」にある記事を発見しました。
曰く、「ある材料メーカーが樹脂と希少金属(レアメタル)を用いて高比重材料を開発した。」
というものでした。そしてこの記事の中では、

①この材料は射出成型という工法で使うものであること。
②タングステンの配合率により比重を高い精度で調整できること。
③鉛に代表される有害物質を含んでいないこと。


というようなことに触れられていました。
そして最後に、「加工精度においても、環境面への配慮においても今後大きな可能性がある材料。」と結ばれていたのです。

私はこの記事を読んだ瞬間、ジグヘッドやラバージグヘッドへの利用を思い浮かべました。まだこの手の材料を用いた製品が世の中に出回っていなかった頃のことなので、想像の域を出ることはありませんでしたが、以下のようなことが期待できました。

・有害性が指摘される鉛から脱却できる可能性がある。
当時ケイテックではラバージグのヘッドに鉛を使っていました。それを良い方向にシフトできるのであれば、取り組む価値があります。

・鉛より高い比重を実現できる。
鉛の比重は10前後。樹脂タングステンをモノにすると最大14までの比重を手にできます。つまり同じ重さならヘッドの体積が3〜4割小さくなる計算。ラバージグのスリ抜け性能がさらに向上することが見込まれます。

・加工精度の向上、何よりそれが自分でできる。
当時、鉛製のラバージグヘッドは他の工場に製造を委託していたものでした。それは、私が学んでいた射出成型の技術では鉛の加工が困難であること、ならばと鉛の加工技術を新規で学び、導入するほど鉛に対して魅力を感じなかったことによります。しかし、この新たな材料では私の守備範囲である射出成型技術を駆使できます。つまり、ワームのみならず、”オモリ”の分野にも自分自身で努力をする余地が生まれてくるということです。こうした、飽くなき内製化への道は私にとってとても魅力的なことでした。
以上のようなことを瞬時に考えた私はすっかりヤル気になっていました。
「試すしかないでしょ!!」
新聞を置くやいなや、さっそく材料メーカーに連絡。
比重13の試作用材料を分けていただくこととなりました。

もうひとつ、試作に欠かせないのが金型です。これも金型メーカーと協議の上、
ラバージグモデルⅠ、モデルⅡ各々11gを想定しての試作型を製作。

新聞を読んでから約ひと月、新材料”樹脂タングステン”試作への準備が完了。
新たな挑戦が始まったのです。


【スイングインパクト4.8”開発速報!】

スイングインパクト4.8"の発売準備は順調に推移。現在量産用金型の完成を待ちながら、専用ブリスターケースの試作をパッケージメーカーに依頼、我々はカラーサンプル作りに余念がありません。
とりあえず、ここにご覧に入れます10色で量産を立ち上げる予定です。
手前味噌にはなりますが、どれもホントに良い色で、ウットリしてしまいます。
「生命感が違う。」、「バスでなくても食べたいと思う。」、果ては「気品がある。」等々、社内でもその賛辞は絶えません。
次回予告; 次回は6月6日アップ!! 樹脂タングステン物語その②の予定。

株式会社ケイテック

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