どこまで行っても釣りは難しい。
「ああ、難しい。」
疲れ果て、鉛のように重い体を助手席に横たえながら、思わず私はこう眩きました。
傍らの運転席では、マジ君が睡魔と戦いながら夕暮れの名神高速を東へと飛ばしています。そう、この週末も2人は琵琶湖へと赴いたのです。もちろん、ここのところ夢中になっているモデルⅢを持って。しかし帰りの車中には、気だるい沈黙の時間が流れていたのです。
これまで私達は、何度かにわたり現在開発中の新たなスイミングラバージグ“モデルⅢ”を試すべく琵琶湖に足を運んでいます。そして、大釣りこそないものの、着実な成果をあげてきました。本来であれば、ボコボコに釣ってこの新たなルアーの優位性を皆さんに自慢したいところなのですが、いかんせん今年の琵琶湖は、このようなシャッドテールの“巻き”が春から不調、どうも様子が変なのです。
「いつになったら“巻き”が爆発するのだろう?」こと琵琶湖に関して言えば、私の興味はこの一点に集中していました。
このようなことから、最近の琵琶湖釣行ではモデルⅢとその相方スイングファット4.8"しか持っていかなくなりました。自分でも「極端かな?」と思わなくもないのですが、要はとにかく開発を早く、かつ濃密に進めたいだけなのです。今の私にとって釣りの楽しみはこうした開発業務とセットで成り立っていると言えるでしょう。
で、こうした極端な“一本勝負釣行”を先週末(10/16〜17)もしてきたわけですが、その結果は冒頭で述べた車内の雰囲気から察していただければ、と思います。はっきりぶっちゃけ言ってしまうと、2日間巻き倒したあげく、1匹も釣れなかったス。私が出入りするマリーナ所属の人気ガイド河畑氏(ほぼ毎日出漁)によれば、今年はこの時期になっても、まだ夏を引きずっており魚は依然ウィードの中に入っている、よって“巻き”だけではツライ、とのこと。いやいや、いかに琵琶湖と言えどもリスキーな展開だったわけです。
今後はさらに秋が深まり、水温が低下するでしょう。さすればバスがウィードの中から出て、沖合をクルーズするに違いありません。これこそ“巻き”が際立つ状況、そして我らがモデルⅢの本格的出番なのです、たぶん。今度行くのはその頃かな…。
今回のような苦い経験をしても、私のモデルⅢへの思いに揺るぎはありません。それはその使用感が私の好みに爆ハマリだからです。この使用感の前には1タコ2タコくらいは屁でもありません、と強がっておきましょう。
今後も私は懲りもせず、“一本勝負”な開発優先の釣行を続けることでしょう。
♪パープルレイン♪が物憂げに流れる琵琶湖帰りの車中、私はこんなことを考えながら深い眠りについたのでした。
プリンス・アンド・ザ・レボリューションによる1984年の楽曲。
同名のアルバムは、発売した週に100万枚を売り上げたほど。
同曲はやや抑えたトーン、それでいて分厚いサウンドがGood。
曲開始から2分35秒ほどでプリンスが感情をほとばしらせるが
これが何とも志村けん入ってます。夜のクルーズにオススメ。
次回は10月29日アップします。