林圭一、モデルⅢを語る。(その2)
先週は、モデルⅢの構造、そしてその特徴についてご説明いたしました。
今週は、これに引き続き、使い方などをご紹介いたします。なお、先週お約束したトレーラーセッティングについての動画は割愛させていただきます。と言いますのも、先週マジ君が力をこめて撮影・編集した“セッティングスライド画像”で十分お分かりいただけると思うからです。マジ君はマジ君なりに、モデルⅢに対する想いを当コラム編集という仕事を通じ発露させております。そこのところ、十分お察しの上、お読みいただきますれば幸いに存じます。
さて、それではこのようにセッティングされたモデルⅢをどのように使っていけばいいか順を追ってご説明してまいります。
■ただ巻き
ジグをキャスト後、一定のスピードでステディリトリーブする方法。主に琵琶湖でのスコーンリグ系の使い方です。狙えるレンジは水面直下から4mを超える水深のボトムまで様々。1/8oz〜1/2ozまでのヘッドウェイトと巻きスピードを変化させることによって、幅広いレンジをカバーすることができます。この辺は、当コラムバックナンバーVol.126で触れておりますので、ご覧ください。
Vol.126を書いた当時(2010年9月30日)は、まだ1/8ozはありませんでしたが、その後急遽追加。ウィードがところどころ水面まで伸びているようなスポットにも対応できるようにしております。
従来のスコーンリグですと、リトリーブ中にルアーがウィードにコンタクトしてしまうと、それだけでルアーが“藻玉”(もだま)になる確率が高かったのに対し、モデルⅢはその形状から“藻玉率”が極めて低くなると申せましょう。とは言っても、「モデルⅢは“藻玉率”ゼロ」は、ちと言い過ぎ。そりゃ“藻玉”になることもありますわ、場合によっては。で、あいにく“藻玉”になったと思われる時は、次の操作手順にお進みください。
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藻に当たる
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藻、ルアーにくっつく
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くっついた藻の分だけリトリーブ抵抗が重くなる
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藻がついた、と気づく
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パンパンパンパンッ、とロッドティップを小刻みに激しく揺する
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ルアーについた藻、ハラリとルアーからほどける
この手順により、仮にモデルⅢが藻玉になった場合でも、これをほどき、除去できることがあります、必ずとは申しませんが。上記操作で、藻玉がハラリとほどける瞬間の動画を貼っておきますので、どうぞご覧いただき、イメージ膨らませてください。
そもそも琵琶湖でスコーンリグやっていて何が頭に来るって、この藻玉問題であります。ブワーッとロングキャストして、感じ出して巻いてると、すぐに“モモモモッ”と藻玉るあの瞬間。実にイヤなものです。で、これがイヤなもんだから、当たり障りのない上の方をサーッとストレートに巻いてみる。これで釣れりゃイイんだが、10回投げても釣れないと、「もっと下なんやろか?ウィードに絡めんと食わへんのとちゃうやろか?」との思いがムクムクと沸いてくる。なので再び感じ出して巻いてみる。すると“モモモモッ”で藻玉る…。これ、私が陥りがちな悪循環です。心当たりのある方も多いのでは?
このような藻玉問題を軽減し、かつテキサスリグにはない安定感をも手に入れようと考え出したのが、このモデルⅢ。ジグのようでジグでない、テキサスとはまた違う。
(ジグ+テキサス+スピナーベイト)÷3くらいのつもりで
お使いいただければ、きっと春の琵琶湖は大爆発、後はあなたのウデ次第。
あぁ、やった者でなければ分からない、リアルかつ細密な描写。こうした現場での経験が新たな価値を創造するんだね一、とキレイにまとまったところで今週はおしまいです。その他の使用法はまた来週お届けいたします。