マジガエルとは何か。その1
先週は、「通称“マジガエル”なる蛙ワームの開発に私達は着手します。」といった話題を
ご報告いたしました。
「しかし蛙ワームにも色々あるだろう。どんなものか教えてくれたっていいじゃないか。」
と思われた読者もおられたのではないでしょうか。
そこで今週は、私達の持つ思惑の概要をお知らせいたします。
【マジガエルは“バズフロッグ(Buzz Frog)”である。】
マジガエルは、いわゆる“バズフロッグ”と呼ばれるカテゴリーに属する蛙ワームです。
バズフロッグとは、比較的大ぶりな蛙型のワームをノーシンカーないしはそれに近い
状態(ウエイテッドフックを装着)でキャストし、水面をステディリトリーブするものの
総称です。多くの製品はそれぞれ脚に意匠が凝らしてあり、水面でパタパタ動き、よって
水面を波立たしたりスプラッシュさせたりできるよう工夫されています。
バズフロッグが効果を発揮するシチュエーションとしては、水面があまり波立っておらず
ウィードや水棲植物が水面に繁茂している、といったものが考えられますが、意外と
オープンウォーターでも威力を発揮する場合があるようです。
バズフロッグとして有名で実績があるものとしては、ZOOM社の「HORNY TOAD」やSTANLEY社の
「Ribbit」が挙げられます。
今回は、私達なりに知恵をめぐらし、こうした諸先輩の皆さんに挑戦しようという企画です。
ZOOM社「HORNY TOAD」 STANLEY社「Ribbit」
【従来より発売されている製品に見られる傾向。】
【従来より発売されている製品に見られる傾向。】
私は、前述したような人気のあるバズフロッグをとりあえず試してみました。
試すなかで、「さすが高い評価を受けているだけのことはある。」と感じることもあれば、
「もう少し変えた方が良いのではないか?」と思われる部分もありました。
これらのアメリカ製品を試した感触を手短に言うのであれば、「やっぱアメリカのバスは
ワイルドでいいですね。」といった評価になるのでしょうか。
さて、読者の皆さんにはイマイチ分かりにくい話し方になりつつあり、申し訳ありません。
この辺で具体的な私なりの“目指すべきバズフロッグ”についての要件を語ってみます。
①アメリカ製品は脚で水面をキックした際のスプラッシュの大きさに力点を置いている。
②こうした力点の置き方をすると、脚は総じて硬く、そのデザインもスローリトリーブでは
動きにくいものになる傾向にある。
③つまり、一旦動き出したら脚が水を強く掻くものの、それを機能させるためには一定以上の
速いリトリーブスピードが必要となる。
④こうした“起動しにくいが一旦動き出したら強い系”の脚は水への馴染みが悪く、ワーム自体が
かしいだり、回転したりとリトリーブ中のバランスに劣るきらいがある。
⑤このような弱点を補うため、多くの場合この手のベイトにはウェイテッドフツクが使われる。
つまりフックについたオモリの力を借りてワームの天地を明確にしようということである。
⑥これはこれで悪くない方法なのであろうが、いかんせんワームが沈みやすくなってしまい、
やはりこの見地からも速めのリトリーブスピードを使わざるを得ない。いや、その沈みやすさが
気にならないくらい速くリトリーブする、と言った方が正しいんだ、脚のデザインから見ても。
⑦つまるところ、アメリカ製品は、速いリトリーブで派手めに水面を騒がしながら釣っていく
ことに特化した仕様となっているわけで、きっとアメリカではこれで良いのだろう。
だとすれば、「やっぱアメリカのバスはワイルドでいいですね。」と言わざるを得ない。
さて、賢明な読者の皆さんならもうお分かりのはず、私にとっての“目指すべきバズフロッグ”とは
そうしたアメリカンなものとはまったく別物であります。
私には「こうした方がスレたバスでもより高い確率で釣れるんじゃないか?」といった腹案がある、
とだけ今週は申し上げておきます。これまで私自身がやってきた水面+ステディリトリーブ系の
釣り、つまりバズベイトやグラビンバズで得た釣るための感覚をバズフロッグにも注入したい、
そう考えながらイメージを絞り込んでいます。
という訳で、“目指すべきバズフロッグ”、マジガエルの具体的ビジョンに関してはまた来週、
頭の中を整理して展開させていただきます。
次回は11月7日アップいたします。