マジガエルとは何か。その2
マジ;「林さん…、」
林 ;「何じゃ?」
マジ;「大見得切ったみたいっスね、先週のコラムで。」
林 ;「腹案のこと?私にはあります、腹案が、マジガエルに関してのってやつ?」
マジ;「はい、それです。」
林 ;「私にとっては腹案でも、読者の皆さんには"公約"と理解されておる。」
マジ;「公約とは大層な…。」
林 ;「頑張ってくれ。」
マジ;「デザインするのはボクなんですからね。」
林 ;「蛙作ろうって言ったのアンタじゃないか。」
マジ;「そうですけど…。」
林 ;「うむ、だから頑張ってしっかり公約果たしておくれ。」
マジ;「……。」
林 ;「信じてる。」
というわけで、マジガエルに関する私の腹案、アメリカンなバズフロッグとは一線を画する開発ビジョンについて今週は語ってみます。まず、話を分かりやすくするため、アメリカンなバズフロッグの持つキャラクターについておさらいしておきましょう。
【アメリカンなバズフロッグのキャラ。】
・アメリカ製品は脚で水面をキックした際のスプラッシュの大きさに力点を置いている。
・こうした力点の置き方をすると、脚は総じて硬く、そのデザインもスローリトリーブでは動きにくいものになる傾向にある。
・つまり、一旦動き出したら脚が水を強く掻くものの、それを機能させるためには一定以上の速いリトリーブスピードが必要となる。
・こうした“起動しにくいが一旦動き出したら強い系”の脚は、水への馴染みが悪く、リトリーブの最中にバランスをくずしやすい。
・このような弱点を補うため、多くの場合この手のベイトにはウェイテッドフックが使われる。つまりフックについたオモリの力を借りてワームの天地を明確にしようということである。
・これはこれで悪くない方法なのであろうが、いかんせんワームが沈みやすくなってしまい、やはりこの見地からも速めのリトリーブスピードを使わざるを得ない。いや、その沈みやすさが気にならない程速くリトリーブする、と言った方が正しいんだ、脚のデザインから見ても。
さて、これを私なりに今までの自分の経験に照らし、特に日本のスレバス相手に特化した仕様にすることが私の腹案であり、"目指すべきバズフロッグ"、つまりマジガエルのあるべき姿なのだと思うわけであります。
くどいようですが、これまで申し上げてきたようにアメリカンなバズフロッグのキャラとは…、
「速いリトリーブで派手めに水面を騒がしながら釣っていくことに特化した仕様となっている。」
ということでありました。
それに対し、私が描く"目指すべきバズフロッグ"の姿はかなり正反対なものになります。
【林が描く"目指すべきバズフロッグ"の姿。】
話をより明快にするため、箇条書きにて申し上げます。
・とにかくスローなリトリーブでも脚が素早く、滑らかに起動しなければならない。
・脚が常に水を噛み、アクションすることで、すこぶる良好なバランスを実現する。
・よってウェイテッドフックによるバランス補助を必要とせず、ノーシンカーリグで機能する。
・結果として超スローな引き方でも水面をキープし、脚で水面をキックし続ける。
といったところが私の腹案であります。あとこれらに付け加えるべき事柄として…、
・ワーム単体で14gを優に超える重さで、キャスタビリティーに富む。
・キャストを重ねてもフックからズレにくいハリもちの良さ。
・水面に広がるマット状のウィード等にスタックしにくく、スリ抜け性に富む。
などが上げられますが、これって贅沢でしょうか?
マジ;「かなり高いですね。」
林 ;「何が?」
マジ;「ハードルですよ。マジガエルの。」
林 ;「そりゃそうだ、オレの大嫌いな蛙作るんだぞ。このくらい言わせろ、公約として。」
マジ;「デザインするのはボクなんですからね。」
林 ;「蛙作ろうって言ったのアンタじゃないか。」
マジ;「そうですけど…。」
林 ;「うむ、だから頑張ってしっかり公約果たしておくれ。」
マジ;「……。」
林 ;「信じてる。」
というわけで、マジガエルのあるべき姿、林的バズフロッグの世界を今週は語ってみました。
これで言いっ放しということでは読者の皆さんも、そしてマジ君も承知はすまい、と読んだ私は、その根拠について来週詳しく申し述べるつもりでおります。
だんだんマニアックな話へと進展していきますが、皆さんぜひ集中力をもって臨んでください。