マジガエルの七変化。その5
前回のコラムにて、マジガエル3次試作品には十分に価値のある基本性能が秘められており
後はいくつか散見される細かな不具合を修正すれば、唯一無二のバズフロッグに仕上がる
可能性がある、とご報告いたしました。こうした感覚は、むろん琵琶湖での実釣から導き出されて
いるのですが、今週はこの実釣の際使用したタックルについて申し述べてみたいと思います。
皆さんもご存じの通り、私共が営むケイテックは、ほぼワーム専業メーカーであり、よって
新規開発するアイテムも、そのほとんどがおのずとワームになっています。つまり、これまでの
いかなる試作品のテストにおいてもトップウォーターゲームが主たるテーマになることは
なかったわけで、そういった意味からもマジガエルは、私達にとって非常に珍しいタイプの
開発案件であると言えるでしょう。
このようなことから、平素の試作品テストでは感度やシャープなフッキングを優先し高弾性な
ロッドを多用しますが、トップウォーターゲームを中心に考えると、ロッドに求める優先的な
条件はキャストのしやすさ、ということになります。ここで言うキャストのしやすさとは
ロングキャストしやすいということではなく、むしろ近〜中距離を少ない力で正確に射貫く
といった意味でのキャストのしやすさであります。
目に見えるあらゆる変化を、アンダーハンドキャストから繰り出される低く伸びのある弾道で
正確に狙っていく。もちろんルアー着水時には微妙なサミングワークを駆使し、着水音を
極力抑えこんでいく。このようなよく制御されたキャストを納得つくで繰り返していると
それだけでバス釣りは楽しいものだと素直に感じてしまうものです。
こうした美しく、完成度の高いキャストを生み出すためには、リールや特にロッドの正しい
吟味が不可欠です。以下に私の思うところを書き記しておきますので参考にしてください。
リール; オーバーヘッドの両手投げでビューンとロングキャストするならいざ知らず、
近〜中距離を低く伸びのある弾道で正確に撃ち抜くなら、圧倒的に小型軽量で
遠心力ブレーキを搭載したベイトリールが使いやすい。このようなシャープかつ繊細な
キャストフィールの原点は、古くはアンバサダー1500C/2500Cの世界に由来するが、
現在市販されているモデルで抜けているのはアルデバラン(シマノ)であると思います。
ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。
来年の1回目は1月9日アップいたします。それでは皆様よいお年を。