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林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.353

Ultimate Lifelike Action (アルティメイト ライフライク アクション)

Ultimate Lifelike Action、すなわち“ 最高に生き生きとしたアクション

フォールやスイミング、はたまたズル引きやシェイクといった簡単かつわずかな操作で命を

宿したかのように動くワームを作る。私であれ、マジ君であれ新たなワームを開発する際には

常にこのことを念頭に置くようにしています。言ってみればUltimate Lifelike Action”という

文言はケイテックの開発におけるスローガンということになろうかと思います。
 

これまで様々なワームを開発し成功も失敗も重ねてきた中で、見えてきたものはとてもシンプルで
当たり前とも言える原則でありました。つまり、わずかに操作するだけでもたくみに水をはらみ
生きているかのごとく生命感を醸し出す、そんなワームが結局のところ魚を釣ってくるわけで
とどのつまり、魚を釣ってくれるワームこそより多くのユーザーに受け入れられ、定番化する
というだけの話なのであります。ことさら奇をてらったり、トレンドじゃ何じゃ業界人っぽく
アプローチしても、その成功率は低いという事実を噛み締めつつ、私自身着実な開発路線を歩ま
なくてはなりません。要は業界人である前に釣り人であれ、みたいな感覚が大事なんだな、きっと。
 
そんなことを考えながら、ケイテックでは次の新規開発物件が産声をあげています。デザインを
立ち上げ、試作品を製作する、そういったプロセスに乗せて試しているのはストレートワーム。
すでに何種類かの試作品を作り、水槽で試したり試釣にかけたりしているのですが、今週は
その中でも中核になるであろう4.5"モデルの1次試作品をご覧いただきます。
さて、この4.5"モデル、私としてはハンドポアー(Hand Pour;手流し)の4.5"ストレートワームを
意識しております。ハンドポアーのワームと言えば今から20年以上前、カリフォルニアを中心と
した米国西部地域でもてはやされた製法ないしは製品で、その後その勢いは徐々に失速、現在
ではかなり影が薄いものになってしまったようです。ハンドポアーという製法は色こそマシーン
インジェクション製法(射出成型)では出し得ない複雑でなまめかしいものを作り得るわけですが
反面緻密で精度の高い製品作りは苦手であり、やはりアクションの良い釣れるワームを作るには
マシーンインジェクションに一日の長があったということでしょう。
 
そのような中、ハンドポアーという製法をベースとし、その製法に機械的な制御を付加することで
頭抜けた製品精度を実現したメーカーがあります。ご存じの方も多いと思いますが、ロボワーム
(Robo Worm)という名のそのメーカーは、長年高精度で複雑な色合いの優れたストレートワームを
製造しており、ハンドポアーメーカーが衰退する中、依然として高い人気を維持しています。
特に米国においてその人気は高く、ドロップショット用ワームの代表格として君臨しています。
今回のストレートワーム開発は、こうした“ハンドポアーの雄”の優れた品質や特徴に対し、私共が
誇る高精度インジェクション技術(すみません、自称そういうことにさせていただいております)が
どこまで対抗し、凌駕できるかという言わば挑戦なのであります、一応私的には。
この原稿の冒頭で述べた“Ultimate Lifelike Action”というスローガン、それを体現し、より
生命感を宿した釣れるワームを作るには、絶対マシーンインジェクションの緻密さ、繊細さが
必要だと信じて疑わない私。釣り人としての目線を忘れず本当に使いやすく良く釣れるストレート
ワームを作り得るならば、必ずやロボワームの良きライバルになれると信じてやってみよう…、
今はそう考えています。 

次回は7月10日アップいたします。

株式会社ケイテック

(KEITECH Inc.)
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