クリエイティブに働くために必要な5つの要素。その3
今週は、先週に引き続きクリエイティブに働くための必須要素4及び5に関する内容をお届けいたします。
要素4: こだわりという"薬味"を仕事に添える。
これは少々さじ加減が難しいことかもしれませんが、自身の実力や実績に見合った応分のプライドを持つことは、クリエイティブに仕事を進めていく上で大切なことかと思います。「自分がこの仕事に関わる以上、半端なもので終わらすわけにはいかない。」なぜここで私がプライドなどという事柄を持ち出すかと言うと、プライドを持って仕事にあたる人達からは自然と前述のような言葉を聞くことがままあるからです。それは、このような人達は仕事にあたる際どうせだったら自分ならではの色をその仕事に加えたいと考えているからです。こういった考えからその仕事に加えられる創意工夫やそこから生み出される独創性のことを
私達は"こだわり"と呼びますが、これもクリエイティブに働くための必須要素として忘れるわけにはいきません。例えば料理の世界を引き合いに出すのであれば、ほんのひとつかみの香辛料や香草で料理の味が格段に引き立つことがあるように、最後のひと手間、ひと工夫がその仕事の独自性や完成度を飛躍的に上げ得ることがあるのです。「半端なもので終わらせたくない。」こうしたこだわりとプライドは表裏一体のものです。こだわりがプライドを育て、プライドがこだわりを深化させる。こうした相乗効果を育むことにより、その人が生み出す仕事の独創性には一層磨きがかかっていくことでしょう。
私達は仕事をすることを通して日々ビジネスをしています。ビジネスというものは、その分野や業態がどのようなものであろうとも自分ひとりで成立するものではありません。それこそ私達が提供する製品やサービスを利用するユーザーの方々を筆頭に、仕入先や販売先の人達や同じ会社で働く仕事仲間に至るまで、色々な人達がいてくれるお陰でビジネスが成立するのです。そもそもビジネスとは、こうした仕事の上で自分を取り巻く人達が抱く様々なニーズを汲み取るところから始まるわけで、相手に対する配慮を欠いたところからは何も生まれないことを肝に命じておくべきでしょう。つまり相手に対しどうしてあげたらより親切で喜ばれる仕事になるかという側面からも考え尽くす必要があるのです。一定の常識を身につけ、新たなことに挑戦しながら実力を磨き、こだわりを持って考え尽くす。このような能力をいかんなく良い結果に結実させるためにも、「自分が相手だったらどうしてもらいたいか。」を大切な判断基準のひとつに据えるべきだと思います。
さて、いかがでしたでしょうか。豊かに独創性に富んだ仕事をしていくために必要なことを私なりにまとめてみました。
このような仕事上の所作は、自分が手がけている仕事、目の前の仕事を心から好きになることにより、自然と取れるようになっていくものです。とは言っても誰もが自分の仕事を心から好きになれているかと言えば、一概にそうとも言えない、現実とはなかなか切ないものなのかもしれません。
「その仕事が掃除であれ何であれ、懸命に取り組むうちに真骨頂(自分が得意とするところ)が見えてくる。後はその真骨頂を生かしつつ、どう人の役に立つかを考えれば良い。これがいわゆる「やり甲斐」そのものであり、仕事を好きになれるまたとない道筋なのだ。」これは吉田松陰が弟子から仕事について問われた際の答えなのですが、この言葉を最後にご紹介することで、この原稿の終わりとさせていただきたく存じます。