ポークよもやま話 その5
「柔らかくなければポークにあらず。」
ここまでの原稿で私は、ポークラインドにまつわる様々な経験やエピソードに関してご紹介して
まいりました。そしてこうした話題を語れば語るほど、いかに柔らかいポークを使うか、または
柔らかくして使うかといったことに腐心していたか、改めて気づくこととなりました。十分に
柔らかいポークが醸し出すトロンとしたアクションはそんじょそこらのプラスチックトレーラー
とは比べようもないほど自然であり、魚を惹きつける力に満ちていると私には思えるのです。
特にジグ着底直後の"余韻アクション"(ジグ自体は着底し静止状態にあるが、ラバーがフワーッと
広がったり、着底のショックで一旦エビ反ったポークが、本来の状態にスーっと戻ったりと
いったルアーによる自発的アクション)は、ためらうバスをバイトへと追い込む強い力になると
思われ、こうしたことからも"柔らか1軍ポーク"は有用であると私は今でも考えています。
さて、読者の皆さんの中には、「なぜ林は今になってこんな話をし出したのだろう。」とやや
いぶかしく思われる向きもあろうかと思います。あなた、何か怪しげな気配感じますですか?
感じたあなた、鋭い、ということで開発情報をチョロっと先出ししておきます。
実は現在、"柔らかテロテロ1軍ポーク"の水中アクション、中でも特に"余韻アクション"に
こだわったプラスチックトレーラーを開発中なのです。そしてこのほど十二分に満足のいく
試作品が出来上がった次第。なので今さらながらズリズリズリーッと昔のポーク話を引っ張り
出してきた、というわけであります。アクションのグレードはテロテロ1軍ポーククラス、
これをワームと同じ軟質プラスチックで達成すれば、製品ムラが無く乾いてダメになることも
無い、さらにケイテック独自のスクイッドセント(イカの匂い)を付けることも可能となり本当に
価値のある製品になるのでは、と今からワクワクしています。
さてさて、新製品の話はここまでとして先ほどお話ししかけた「いかにしてポークを柔らかく
して使うか」という話題について触れておきたいと思います。
ポークを何らかの工夫をすることにより柔らかくする、その方法にもいくつかの方法があるの
ですが、まずはそれらを簡単にご紹介させていただきます。
1、選ぶ。
これは、何らかの手を下しポークを柔らかくする方法ではなく、購入の際ポークの入った瓶を
軽く揺すり、その時のポークの揺れ具合で柔らかさを判定するといった方法です。数をこなす
ことで徐々に目が肥えていき、「うん、この瓶にはいいヤツが2匹いる。」みたいなことが
わかるようになってきます。
2、包丁で軽く叩く。
これはフロッグタイプのポークに用いる方法。皮と脂身でできたボディ部以外、つまり皮のみ
でできたレッグ部の裏面を包丁のような刃物で軽く叩き細かな傷を多数入れ、これにより多少
なりともレッグを柔らかくする方法。手がかかる割に効果は低い。
3、手で揉む。
これはスーパーポークのタッドポールだけに有効な方法。効果はそこそこ高い。
4、バスにホグらせる。
実際の釣りでバスにホグホグホグと噛んでもらいポークを柔らかくする方法。ポークのタイプ
を問わず効果が期待できるが、なにぶん魚を釣らないことには、どうにもならないところが
ネック。特にタッドポールでは極めて効果的な方法である。
5、ポークフレックスを使う。
少しまわり道をしてしまいましたが、今週扱いたかった話題がこちら、ポークフレックス。
次回は11月13日更新いたします。