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林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.352

見えないところをマイナーチェンジ。

私とマジ君には、毎日のようにチェックする釣具通販サイトがあります。

それは米国最大手釣具通販サイト、タックルウェアハウス(Tackle Warehouse)というサイト。

 

このサイトを私達が頻繁にチェックするのは、むろん自分達の買い物のためではありません。このサイトを見ていると、アメリカのルアー業界の流れというか概況を感じ取ることができる、これがこのサイトを頻繁にチェックする理由です。では具体的にどういったことを感じ取れるかと言うと…、

 

何せ取り扱い品目が膨大で、今アメリカではどんなルアーが売られているか、その全体像を把握することができる。

 

このサイトの中には、"Top Sellers"というページがあり、その時々でどんなルアーが売れているかが分かる。

 

・そしてこの件がいちばん大事なのですが、各製品ごとに"Customer Reviews"というコーナーが設けられており、文字通りその製品を使ったユーザーからの評価が分かる。

 

といったようなことを伺い知ることができます。特に"Customer Reviews"は私達にとって貴重な情報源と言えるでしょう。まずその製品に対するレビューの投稿数の多少でその製品の人気を伺い知ることができます。またポジティブであれネガティブであれそれぞれのレビューの内容からユーザーがその製品に何を期待しているか、何が良くてその製品を購入しているのか、または何が悪くてもうこれ以上その製品を購入しようと思わないのか、といった事柄をリアルに感じ取ることができるのです。

 

タックルウェアハウスではケイテック製品も取り扱っていただいております。つまり、自分達の製品もレビューの対象になるわけで、どんな批評を受けているか、はたまた誰もレビューを投稿してくれさえしないのか、とても気になるところではあります。

 

そんなこんなで、その日もレビューをチェックしていたマジ君。何やら浮かない表情で私に相談を持ちかけて来たのです。
 
マジ;「林さん…。」
林 ;「その感じでは何か良からぬ話かい?
マジ;「まあ、良い話ではないですね。」
林 ;「とりあえず言ってみな。」
マジ;「では…。」
林 ;「ドキドキ。」
マジ;「タックルウェアハウスのレビューを見たのですが…、」
林 ;「何のレビュー見たですか?
マジ;「弊社製品、クレイジーフラッパーのレビュー見たです。
林 ;「クレイジーフラッパーのレビューと言えばお褒めのコメントが多かったよね?
マジ;「はい、アクションが良いとか、色が良いとか、匂いが良いとか、海でも良く釣れる
    とか…。」
林 ;「うむ、大変結構なこってス。」
マジ;「ところが…、」
林 ;「ところが?
マジ;「今日になってやや否定的なコメントが投稿されまして…、」
林 ;「何が気に入らないって?
マジ;「製品の丈夫さ、つまりハリもちに関することです。」
林 「ボクらは"結構丈夫"と評価してますよね。」
マジ;「そうなんですが、"これのどこが丈夫なのか分からない"とか、」
林 「……。」
マジ;「"他のワーム同様並の丈夫さ"とか言われてます。」
林 「まあ、世の中色々な人がいるわけで、多少のことは仕方ないんじゃないの?
マジ;「ただ、ひとりでもそういうお客さんがいる以上、ボクとしては何らかの手を
    打ちたいと…、」
林 「ほほ一っ、ではどんな手を打ちたいと?
マジ;「金型を多少触って、製品尾部の肉厚を増すと良いと思うんですが、どうでしょう?
林 「うむ、それによりワームフックがより多くの肉と接することによってしっかり止まるか。」
マジ;「さいだす。」
林 ;「その程度の金型改造なら大きな費用も発生しないし…。」
マジ;「それでお客さんの不満が多少なりとも軽減されるなら安いものですよね?
林 ;です。」
マジ;「それでは、さっそく金型触るでよかですか?
林 ;「よかです。」
 
というような経緯の中で金型改造はすでに完了。現在工場で作られているクレイジーフラッパーはすべて下記マイナーチェンジを施した製品となっています。
 
私を含めメーカーの人間は、新製品開発のような大きくて華やかな仕事に目を奪われ勝ちです。しかし、ユーザーから大きな信頼を与えられる本物のメーカーに成長するためには、今回のような地道な取り組みも不可欠であることは言うまでもありません。
今後も私達は、あらゆるユーザーから届けられる様々なレビューに一喜一憂しながら仕事を進めていくことでしょう。そして、そうしたひとつひとつに取り組み、様々な経験を積むことで力を身に付けていけば良いのです。
 
とは言ってもネガティブなレビューには肝を冷やされます。できますればポジティブなコメントを寄せていただきますよう、タックルウェアハウスご愛用の皆様にはお願いしておきます。

次回は7月3日更新いたします。

株式会社ケイテック

(KEITECH Inc.)
〒401-0301
山梨県南都留郡富士河口湖町船津2661-1
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 FAX.0555-83-2238

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