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林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.39

スイングインパクト ファット3.8"(3.8SF)発売に向けて。 その①

今年の春より試釣を続けてきた3.8SF。いよいよ発売開始に向け、その準備も佳境に入ってきました。
8月下旬には、私自身納得のいく試作品が完成し、量産用金型の製作手配やパッケージのデザイン及び製作といったプロセスに入っていたのですが、ここにきて私の相棒マジ君が、また分からんことを言い出したのです。

マジ;「林さんは今のサンプルでイイと思います?」
林 ;「イイと思います。」
マジ;「そうでしょうか?」
林 ;「何が気に入らんの?」
マジ;「いや、今の仕様は夏にはイイでしょうけれど、冬になると樹脂がわずかながら
   硬くなって動きに支障が出ないでしょうか。」
林 ;「まあ、そう言えんこともないわな。」
マジ;「だったら、もう少し配合変えて試作してみましょう。」
林 ;「確かにまだ発売までには時間もあるわけだし…。」
マジ;「手間を惜しんではいけません。」
林 ;「はい。」

という訳で、更なる試作を開始。この手の開発というものは、言い出したらまったく際限のないものであります。まあ、こんな話ができるのも、発売よりかなり前倒しで企画・開発を進めているからに他なりません。
更なる良いアクションはないかと様々な配合で作成した試作品(写真左)。
アクションの違いを平等に見たいので背中の色は全て同じ色にて作成。
ただしどの配合の製品か分かるように腹側だけ色を変えておく(写真右)。これが林流。

話はやや脱線しますが、こうした開発プロセスのなか、私には常に葛藤があります。
これを分かりやすく言うなら、釣り人としての立場を取る自分と、小さいなりにひとつの会社を
預かる立場の自分とのせめぎ合い、とでもなりましょうか。
釣り人としての林は、「まだまだ更に釣れるベイトにする余地があるんじゃないの?」と言い、
社長としての林は、「いい加減にして早く売上にしなさい。」と言います。
まあ、この場合置かれた状況によって考えは変わってくるので、いちがいにどちらが正しいとは
申せませんが、はっきり言えることは、

・急がず、慌てず十二分な準備期間を設ける
・十分な準備期間があるからといって油断しない
・つまり、決して急がないけれども、常に考え続け立ち止まることもない


ということが肝要かと思います。そして、こういった態度で開発に臨んでいると
自然とその開発物件の終着点を正しく見極められるようになる気がします。
私も含め人間弱いもので、デッドラインを決めないとなかなか本腰を入れて仕事に取り組めない
場合があります。かと言って、デッドラインがあまりタイトだとその焦りから、判断ミスをしたり
妥協してしまったりというのもまた事実。優れた製品というものはこうした無理や無駄のない、
良い流れの中から生まれてくるのだと思います。

さて、それでは今回の開発物件、3.8SFではどうだったのでしょうか。
結果的にはマジ君が正しかったようです。そう、私達はまだ終着点に達していなかったのです。
新たに作った試作品の中に素晴らしい仕様のものがありました。
そしてそれは、私達にとって終着点を感じるに十分なものだったのです。
一旦は終結したかに思えた3.8SFの開発。しかし終着点に至る道程はまだ続くのでした。

次回は12月26日アップ!

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