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林 圭一のFLIP MY MESSAGE Vol.183

新製品開発の掟。

   先週は、マッドワグ7"をダウンサイジングしたモデル、3"と4"をご覧いただきました。
   それ以降、私達(林、マジ、ヒラオカ)は熱心にこれらのモデルを色々に試作し、評価の
   ためのテストを繰り返してきました。その結果として、現行デザインのままでは3"、4"
   共に製品化には値せず、との結論に至りましたことをご報告いたします。
   つまり今のままでは「ボツ」ということ。ウゥ、悲しいってか?そりゃ嬉しかないけど、
   悲しくもない、全然。そもそも、たかだか1回試しただけで、人もうらやむようなワーム
   が作れるわけね一だろ!!、という至極当たり前の話。
   よって、マッドワグ3"、4"というダウンサイジング企画は、デザインを練り直しての
   再出発と相なります。その先にゴールがある限り、走り続ける人生であります。
 
   さて、このように新製品を企画するたびに私達はテストをするわけなのですが、今週は
   そんなテストに関する私達の掟(おきて)をご紹介いたします。

  【第1段階デザインを練る。

   「こんなワーム、あったらいいな。」というようなアイデアが
    湧いたら、それを図面、及び
試作型にする段階。これまでの
    経験に基づき、林が担当。

  【第2段階試作品を作る。】

   試作品を製作する。この初期段階では、材料の硬さにバリエー
    ションを持たせ、色々な
仕様の試作品を少量ずつ作る。

  【第3段階: スイムテストをする。】

   この初期段階においては、本格的に釣りをするというよりも、水中でのアクションや

   バランス等の基本的な性能が意図した通り、またはそれ以上になっているかどうか精査

   する。同じデザインでも材料の硬さにより様々なので、じっくり観察する。

   このスイムテストは、林、マジ、ヒラオカが別々に行う。個別にやる目的は、互いに

   干渉されず、影響のない中でそれぞれが感じたままの評価をくだすところにある。


  【第4段階: スイムテストでの評価を出し合う。】

   3人それぞれがスイムテストを行い、胸に秘めた評価を出し合う。この段階で3人が

   特定の試作品を名指しし、評価が一致すれば、その試作品は1次オーディション通過と

   いうことで、第5段階に進む。

   不幸にも3人の評価が一致しない、または一致しても「すべての試作品がボツ」という

   結果の場合、必要に応じて再テストや違う仕様の試作品の追加製作等、評価の一致を

   目指してもがく。それでも評価不一致の時は、根本的なデザイン変更、つまりふりだし

   に逆戻り。今回のマッドワグ3"、4"は、現在この逆戻り状態にある。
     

  【第5段階釣り込む。】

   3人の評価が一致し、無事1次オーディション通過となった試作
    品は、釣りに供される。
ここでしっかりと釣り込み、従前の評価
    に誤りはないか、新製品として世に出す価値が
あるか、意図した
   釣法で魚が良く釣れるか等を再評価。実際に釣りをしてみると、
    先に
行ったスイムテストとは違う感じ方をする場合もあるので、
    得心いくまで釣り込む。

   この段階でもデザイン変更や仕様変更は付きもので、とにかく

   3人の間に確信が生まれ黙って頷き合えるまで執拗に粘る。

   第5段階まで到達した新製品候補がボツとなり、葬り去られたことは未だかつてない。

   ものによって様々な経緯をたどっても、最終的にはすべて製品化されている。

   このような開発において、私が最も重視するのは、3人の見解が完全に一致する、という

   事実であります。釣りの流儀や好みが微妙に違う、それぞれの釣り人が「これでしょ!!」と

   考えをひとつにできるような製品は、総じて完成度が高く、多くのユーザーが受け入れ

   やすいように思います。

   ともすると、リーダーである私が強権発動し、他の2人をねじ伏せたいという衝動にも

   かられますが、それではいけません。これまでに申し上げた“開発の掟”に従うことが

   片寄りのない製品開発には不可欠である、こう考え開発に励む今日この頃です。

 


   次回は12月9日アップします。

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